生活保護は大学行くな?
なんか、生活保護受給者のシングルマザーが「果物の静物画で文部科学大臣賞をとった女の子」の教育に関する相談を後述する記事の筆者にしたところ。塾に通わせたいけど数学か英語の1教科しか金出せないがどっちがいいって内容に対し、筆者は同席した子供に「私は『あなたはどんなに勉強しても、まず大学には行けない』と告げるかどうか迷った」らしいんだが。
生活保護の子供って大学行けないのかと疑問に思ったが、昔は生活保護受けながらだと確かに厳しかったようだな。けど、それはそれでいいんじゃね。普通の家庭の子が奨学金借りて大学行って、卒業後返済出来ないのが社会問題になるぐらいなんだから。最低限の生活の生活保護が簡単に大学行けたらしめしがつかないじゃん。
「あの子は進学できただろうか」と、他人事みたいな感想を今更言ってる筆者がどんなアドバイスしたかは不明だが。中身すっ飛ばして記事の結論を大雑把にまとめると、お前ら寄付してやれよみたいな感じ。
特待生
個人的には、生活保護の子供でも給付型の奨学金もらうとか、学費免除の特待生になれば大学進学の道も開けると思うんだが。
気になって調べてみたら、美大でも特待生制度を採用して、学費全額とはいかないが「授業料の全額」は免除されるところもあるな。
だいたいの1年間の学費が200万弱で、授業料は130万弱ぐらい。残り70万は、特待生でも奨学金併用できるなら、学費はなんとかなりそうだが、他にも教科書代とか絵の具とかの材料費も必要だろうし。さらに、最低限自宅通学出来る範囲じゃないとまず無理か。
それ以前に、美大受けるなら専門の予備校とかに通って受験対策する必要もあるだろうから、この時点で詰んでるか。
通信教育
もっとも、大学には通信教育やってるとこもあるから、贅沢言わなければもっと安く勉強できるけどね。通信制はたいてい試験じゃなく書類選考のみだから、美大受験予備校に金かけなくてもいいし。例えば武蔵野美術大学なら、4年で卒業できれば学費は160万弱ぐらい。
まあ、教職課程とかは別途費用がかかったり、レポートとかの郵送費は自腹だったり。スクーリングにかかる交通費や材料費と、参考図書の購入が必要になることもあるから、実際はもう少しかかるだろうが。それでも、普通の大学に通うよりは安上がりじゃね。ちなみに教科書はもらえるらしい。
Q. 教科書は別に購入しなければならないのですか?
A. 教科書は、履修登録をした科目について大学から無償で配付されます。
さらに、通信制でも大学や他の奨学金が利用できるんだな。
今回の感想
そんな訳で、親が生活保護の子供なら、「あなたはどんなに勉強しても、まず大学には行けない」というのは正論みたいだな。筆者がアドバイスしそこねた10年前よりは改善されてるとはいえ。
だが、少なくとも「果物の静物画で文部科学大臣賞をとった女の子」なら、普通の人より苦労するけど美術の道に進む可能性があるという選択肢を提示してもよかったんじゃね。もちろん、うまくいく可能性はかなり低いというよりほとんどないだろうから、教えたからってその子が幸せになれるとは限らないが。
むしろ、厳しい現実をたきつけて、高校で職業コースを選んで在学中に就職に役立つ資格を取れとか、手に職つけるための専門学校通うなど、夢見れる立場じゃないことを教えたほうがずっと親切かもしれんがね。
以下余談
話は変わるが、昔弟にたかって絵を描いていた、今風に言えばニートだった世界的著名画家のゴッホだが。ゴッホが絵に黄色を多用してたのは、金がなくて安い黄色の絵の具を愛用してたからって説をどっかで聞いたな。ぐぐってもそれらしいソースが見つからないので、真偽の程は定かではないが。
まあ、金がなくてもないなりになんとかする人もいるって話で。なんとかなったのは生前じゃなく死後だろって話でもあるけどさ。
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