最近、電子書籍を買うようになって気づいたが。ライトノベルだとレーベルごとに電子化の特色が分かれてるみたいなので、ちょっとチェックしてみた。データは正確な記述を努めていますが、個人が調べた範囲なので偏りがあります。購入する前には、各タイトル個別のデータを参考にしたり、サンプルをダウンロードして確認することを推奨します。また、配信状況はほとんどKindleストアを参考にしてます。
角川スニーカー文庫
名前の通りKADOKAWAの系列。新刊の発売日より3ヶ月以上遅れて配信されてる。ある程度時間経つと、電子化はされてそうなのは安心できるが。しかし、 Kindleストアで紙の新刊が売ってる横で、「このタイトルは○月×日に、Kindleに自動配信されます」とか。電子書籍の意味ないだろ。価格も5%引き程度で、ほとんど変わらない。売る気ないだろ。しかも、KADOKAWA直営のBOOK☆WALKERでは発売日当日に配信してんだよな。
富士見ファンタジア文庫
同じくKADOKAWAの系列。ここも電子書籍で売るまで3ヶ月ぐらいかかってる。電子書籍化率も高い。同じ角川系列でもスニーカー文庫と違い、富士見の方は電子本価格が3割引きぐらいになってる。例によってBOOK☆WALKERでは、発売日に配信してる。しかも、割高な価格設定で。おそらく、3ヶ月経って他社でも配信されると、値下げするんじゃないだろうか。同業他社への悪条件のみならず、早く新刊を読みたい読者から余計に金を取ってるなんて、KADOKAWAまじパねぇ。
MF文庫J
ここも今はKADOKAWA系列。12作品を1巻無料で配信とかしてたんで、電子書籍に力を入れてるのかと思ったら。新作はほとんど紙だけだったよ。電子化は3ヶ月遅れ。しかも、半年前とかでも電子化されてないのがあるし。割引率は3割弱と高めなのが救い。当然KADOKAWA系列なのでBOOK☆WALKERは当日配信。ただ、中には紙より3週間ぐらい遅れてるタイトルもあった。それでも、Kindleストアで配信されるのは、紙の発売日ではなく、BOOK☆WALKERの配信日の3ヶ月後という徹底ぶり。
講談社ラノベ文庫
その名の通り講談社のライトノベルレーベル。大手出版社の割りに、ラノベへの参入が遅かったせいか、角川系列よりも電子書籍には力を入れてるように見える。通常の書籍の2週間後ぐらいでデジタル化してる作品もある。だいたい1ヶ月以上(7週間?)ぐらいはかかるようだが。値段は2割近く引いてるのでまあまあ。
オーバーラップ文庫
MF文庫Jのメディアファクトリーからのスピンアウト。新参らしく電子化にも積極的。紙の本の1週間後ぐらいで電子書籍で発売。値段も3割り近く引いてる。ただ、このレーベルの本、Kindleストアでは取り扱ってるけど楽天Koboでは売ってないんだよね。
電撃文庫
アスキー系列で、国内最大シェアのレーベルらしい。その成績にあぐらをかいているのか、電子書籍化は遅め。角川系列よりましだが、2ヶ月遅れでの配信。値段も強気で1割りも引いてない。
GA文庫
ソフトバンク系列。IT企業の傘下だから、電子書籍化は積極的かと思いきや。電子化の展開は、戦略的に行われてるように思える。新刊の配信は3ヵ月後だが、中にはされてないのもある。また、アニメ化が決まった作品をいきなりまとめて売りに出したりするが、既刊全部ではなかったり。
例えば、2014年1月にアニメのTV放送が予定されている「のうりん」の場合。単行本は7巻まで発売されてるが、電子書籍版は2013/9/12に1~5巻のみがまとめて発売された。ちなみに、紙のほうの1巻の発売日は2011/8/12。5巻は2012/12/17。2013/9/17に発売された最新7巻がまだなのはともかくとして、6巻は2013/4/16と半年以上も前。
こういったやり口は気に入らないが、3割弱という割引率の高さは評価できる。ただ、新刊の遅さというより、最終的に全巻発行されるのかが心配になるのはいただけない。完結してない作品を買う時は要注意。
ファミ通文庫
ここもやる気ないね。電子書籍化に3ヵ月半かかってるけど、これはまだましなほう。例えば「バカとテストと召喚獣11」は紙が2013/3/30に発売されてるのに、Kindleストアだと予約受付中。しかも配信されるのは2013/11/30。さらに、電子化されてない作品が結構ある。GAと同じで選別してるみたいだな。それでも、電子本を3割以上引いてるのだけは高ポイント。
集英社スーパーダッシュ文庫
ここも電子書籍化されてない作品が目立つ。配信されるのも2ヶ月ちょっとから3ヶ月以上と消極的。割引率は2割前後とそこそこ。ジャンプコミックはモノクロは紙より安め。さらにカラー化したのを紙より高めにして併売するなど、電子化に意欲的なのに。
HJ文庫
またもや、やる気なし。電子化に3ヶ月弱かかってる。それより問題なのは、電子書籍版が異様に少ない。割引率は24%とそこそこ。
ガガガ文庫
小学館系列。ここは配信が早い。10日前後で電子化してるよ。大手出版社とは思えないフットワークだな。ただ、価格が紙の本の1, 2円引きってのはしょぼすぎ。ちなみにガガガには「イラスト完全版」とそうでないバージョンがあるらしい。前者はKindleとかで売ってる奴で、紙の本と同じイラストが載ってる。だから紙と値段があまり変わらないのか。廉価版だとイラストが無いとの事。
とはいえ、今まで買ったラノベの電子書籍版。紙の単行本と比べたことはないけど、挿絵とかが抜けてると思えるようなのはなかったけどな。コミックだとカバーとかカバー裏が収録されてないって、ケースがあるかもしれないけど。ラノベなのに「イラスト完全版」じゃないとイラスト無しって、ラノベの読者を分かってないよな。
一迅社文庫
電子化されてるのは当日~1週間と結構早い。おそらく最近電子書籍でも売るのは、ほぼ紙とのタイムラグなしなのではないか。けど、ここも電子書籍化されるタイトルが少ないんだよね。
結論
KADOKAWA系列みたいに他社をdisってる出版社の本を早く読みたい人には、KindleやKoboで買うメリットはないと思う。BOOK☆WALKERに登録して、KADOKAWAの軍門に下った方がいいだろう。電撃とか電子書籍にやる気のないレーベルは、素直に紙の本を買った方がいいんじゃないかな。どうしても電子書籍で読みたいのなら、手間暇いとわず自炊するとか。
ある程度配信が早くて、価格も紙と比べて割安なら、電子書籍版で購入するのは悪くないかも。Koboでは扱ってないけど、オーバーラップは悪くない。講談社には紙との配信ラグを縮めて欲しい。値段もできれば7割前後まで引き下げてくれれば。ガガガはもう少し値引率が高ければねえ。
電子書籍って買い?
ただ、何冊かラノベを買ってみたけど、この中で読み終わったあとにまた読み返したくなるのがどれだけあるかと言われると。どちらかと言うと、1回読めば充分じゃねって感じがするよ。まあ、何年かすればまた読みたくなることがあるかもしれないが。実際、単行本で持ってるラノベを読み返すことって、ほとんどなかったりする。コミックだと手軽に読み進められるから、同じ本でも何回か読んでるけど。それ考えると、電子書籍は冊数が多くなりがちで何度も読むような漫画の方が向いてるかな。
なんだかんだ言っても、今まで古本屋やヤフオクに流した本も、電子書籍なら二束三文で売る事もなかったんだよな。やっぱり場所をとらない電子書籍のメリットは捨てがたい。個人的には昔の本なら、「ブックオフの105円コーナーで買ったのを自炊する手間賃上乗せ」ぐらいの値段なら、電子書籍で買うものありかと思うようになった。具体的には1冊300円ぐらいが上限かな。出来れば250円前後。200円未満なら言う事なし。
ただ、新刊は現状だと電子書籍は微妙だと思う。シリーズ物とか紙の本で新巻が発売されても、電子書籍では発売されてなかったり。前述したようにタイムラグが数ヶ月あったり。電子書籍だと最新刊が配信されない件については、以前に楽天からKobo Touchが出た頃に書いた記事でも指摘したが。あれから1年以上経ってるが、未だに改善されてないんだよね。
たまに電子書籍が売れないって話を聞くけど。価格設定が高めだったり、画質が悪かったり、PCで読めないなど制限があったり、配信してるストアの紐付きコンテンツでそこが撤退したら読めなくなる可能性があるなど、そういった理由もあるだろうが。最大の原因は、電子書籍化される作品が少ない・紙より遅いって事だと思う。ぶっちゃけ出版社に売る気がないだけかと。
まあ、それでも紙の新刊買う奴がいるから、出版業界も電子書籍事業には積極的になれないんだろうね。そういう状況だから私は今までどおり、新刊はほとんど買わず、買ってもブックオフの105円。電子書籍も楽天koboイーブックストアの50% OFFクーポン+ポイントか、各社の半額以下で買えるキャンペーンでしか買わないことにするよ。オレは食うだけ。
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