ちょっと前に「首都圏スペシャル プロジェクト2030 わが街を守れますか ‐超少子高齢社会を生き抜く‐」って番組を見たんだけど、そこで超少子高齢社会で社会的弱者が増え続ける2030年の悲惨な未来を予測してた。
絶望の予測
高齢化が進んで子どもが10人に1人で高齢者が3人に1人になる。さらに一人暮らしの高齢者が230万人増加するという。特に郊外のベッドタウンでは高齢化率が高くなるらしい。その結果、高齢者の患者の年間延べ数がが2010年の1.3倍に。介護の必要な人も50%以上増加。医療費はますます増加する。
人口減少が進むと業績が悪化して地域から撤退する店も出てくる。2030年には徒歩圏内に生鮮食料店がない買い物弱者が2005年の約46万世代から約99万世帯に倍増する。なんせ野村総合研究所の予測では空き家の割合が約30%と倍増するんだから。
こうなると「磯野家のマイホーム戦略」に書かれた住宅バーゲンセール時代の到来が現実味を帯びてくるな。
将来の日本の姿
番組ではすでにで超少子高齢社会化してる例として、郊外のベッドタウン埼玉県坂戸市の西坂戸団地と千葉県木更津市の大久保団地を紹介してた。
西坂戸団地の人口構成は3人に1人が高齢者になって空き家が急増。現在、地域の7%が空き家になっている。空き家には人は住んでないし所有者との連絡もとれないので、手入れのされていない廃墟と化していても他人には手が出せない。そうなると空き家に人が住んだり不審火の恐れなど、防犯上の問題も出てくるので自治体も頭を悩ませていた。
大久保団地ではもう高齢化率が40%ぐらいと超少子高齢化が進んでる。そんな中、団地で唯一のスーパーは売り上げ低迷で閉店された。一人暮らしの73歳女性は車も運転できずバスも少ないので、週一回片道30分かけて歩いてスーパーに買い物に行ってる。それなんで生鮮食品は冷凍して保存。それでも保存のきく食品に偏った食生活になってる。
恐怖の住民大移動
超少子高齢化の影響として、千葉県銚子市で住民が流出してる例を紹介している。具体的には隣接した茨城県神栖市に若い世代中心に引っ越す人が増えている。その理由は子育て支援の行政サービスの違い。
まず保育所の保険料。銚子市に比べて神栖市では保育料が2割ほど安い。しかも2人目は半額。3人目にいたっては無料になるという太っ腹サービス。医療費補助に関しても銚子市が小3までに対して神栖市では中3まで受けられる。
その結果銚子市は、少子高齢化と人口流出のダブルコンボで商店街も閉店した店が増えて活気がなくなっている。そうなると住民はますます逃げ出したくなるからさらに移住が加速する。予測だと2030年には神栖市は4000人以上増えるが、銚子市は2万人以上減る。人口減少により銚子市はこの10年で税収が2割ほど落ち込んでる。このままだと2030年待たずして夕張市みたいになるんじゃね、と心配になる。
さらに調べたら銚子市立総合病院が2008年9月30日で休止してたよ。富裕層・働き手の減少→少子高齢化→税収不足するけど福祉・介護で財政負担増加→行政サービス低下→ますます住民が逃げ出す、といった負のスパイラルに陥ってるな。
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日本破綻リスクを考えた住宅戦略
地方都市はこんな感じで勝ち組と負け組みに分かれるのかな。「磯野家のマイホーム戦略」の予想通り、20年後には負け組み市町村なら住宅価格が今の1/10ぐらいに値下がりして貧民でも買えるかもしれない。けど、ろくな行政サービスが受けられないのに税負担は高くなりそう。しかも、車なしでは買い物難民にもなりかねないほど町は廃れそうだ。
都市部についても優良物件以外はある程度値下がりすると予想してるけど、はたしてどうなるか。東京の一等地はもちろん、都下周辺や大都市以外でも医療施設・税制優遇といった行政サービスを打ち出せる勝ち組市町村なら、住宅価格の下落幅も筆者の予想より小幅にはなるんじゃないかな。貧乏人(本の例だとフリーター)が一等地で激安賃貸に住むというのも難しそう。
低所得者が将来激安物件に住むとしたら、車の免許とって軽自動車買って行動範囲広げれるようにした方がいいのか? もしくは坂が少なくて道路が広くて大型トラック等の交通量が少ない、自転車での移動が楽な市町村を探すとか。それでも劣悪な行政サービスへの対策にはならんな。
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