小中学生に奨学金
なんか東京都の小池百合子都知事に、小中学生を塾に通わせるために返済不要の給付型奨学金を作れって記事を見かけたんだが。個人的にも、義務教育ぐらいまでは子供の能力に係わらず一律の補助をすべきだと思うが、塾の費用を補助する必要性については疑問を感じるかな。
グラフからも分かるように、教育費の約7割近くが、実は学校外教育費になります。これは、主には学習塾の費用と、ピアノやスポーツ等の文化学習費用です。
小中学生の塾代
事の是非は置いといて、塾代を補助する目的は貧困児童の学力向上らしいが。小学生の場合年額45,000円、中学生で155,000円の金額だが、これは費用対効果的にどうなんだろ。
小学生
試算だと、小学生の補助は月額3750円になるけど。個別指導の塾だと、小学6年が週5回5教科だと1ヶ月税込28620円~52920円か。週1回1教科なら5940円~11880円と回数減った分ぐらい安くなるが、3750円だと厳しいな。
前に、生活保護受給者の子供は大学行けないと言えなかったの記事の相談通り、金ないと1科目ぐらいしか塾に通わせられないってのも理解できる。まあ、集団塾ならもう少し安くなるかもしれんけど。
そうなると、この金額の根拠について聞きたくなるな。あくまで補助だから、これで塾代全額充てられるとは思ってないだけかもしれんが。
中学生
中学生になると金額が約12917円と一気に跳ね上がるが、おそらく受験対策があるからだと推測する。貧困児童に中学受験する必要はないけど、高校は公立でも試験あるからなんじゃね。
明光義塾の料金シュミレーターだと、中3が週5回5教科だと月額58320円。週1回1教科でも12960円。小学生と違って安い料金がないのは、授業が90分授業しか選べない(小学生は45分と60分もある)からみたい。それでも、個別指導だと1教科がやっとか。そんな程度で大丈夫なのか。
教育利権?
記事では、奨学金が親のパチンコ代とかに使われないよう、「バウチャー形式」を採用すると書いてるが。現金より、配布コストにかかる費用がどのぐらいかさむかも気になるが。それよりも、バウチャーを受け入れる塾側との間に、ゼネコンみたいな利権が絡むんじゃないかが心配になる。
実際にはどうなるかは、具体的な記述がないので想像でしかないが。もしかすると英会話学校みたいに、1コマ単位で都度受講できるようなシステムかもしれんな。
貧乏人の教育
この提案が受け入れられるとしても、子供に税金ばらまけるのは東京みたいに恵まれた自治体だけだろうから、大多数の子持ちの親にとっては関係ない話だな。じゃあ、地方に住んでて塾に通わせる金が捻出できない貧民はどうすればいいんだろう。
通信教育
昔から低コストの教育システムといえば、思いつくのが通信教育。例えば進研ゼミを例にあげれば、小6の5教科でも一年一括払い59808円と月額換算で5000円を切るし。中3の9教科だと、一年一括払い67764円だから一ヶ月あたり5647円で済む。
進研ゼミを昔やってた経験則から言えば、通信教育で成績が上がるのは、学校の授業や参考書をやるだけで内容を理解できるタイプだとは思うが。まあ、子供にやる気がなければ塾通っても意味ないとも思うけどね。
余談だが、進研ゼミをはじめとする通信教育事業は、創業者一族が節税と相続性対策のためニュージランドに移住したって説があるぐらい儲かったみたいだが。最近は、情報漏えい事件の影響で苦戦してるとも聞くな。
ネット学習
もっとも、最近では格安のネット学習サービスのスタディサプリなんてのが出てきたけど。これだと学年に関係なく月額税抜980円しかかからないからな。まあ、端末とネット環境をなんとかしなきゃいけないけど。
けど、平成27年3月の学校教育の調査結果を見る限り、公立の小中学校のIT環境はかなり整ってるみたいだから、塾代わりに貧困児童を学校の設備でスタディサプリやらせるぐらいは出来るんじゃね。
既存の学校設備でネット環境と端末を利用できるなら、一人あたり年間12,700円ぐらいの負担で済むからな。自治体が補助しなくても、月1,058円ぐらいなら大概の家庭でもなんとかなるんじゃね。PC(かタブレット等)とネット環境がない家庭は、これからは電気水道までいかなくても、電話と同じぐらい必須だと認識を改めてなんとかやりくりすべきじゃね。お上がなんとかしてくれるのを待ってるだけじゃ、子供が取り返しの付かない年齢になるかもしれんしな。
今回の感想
そんな訳で、金が無いからろくな教育を受けさせられず、子供が将来低所得になることを心配してる親は、進研ゼミとかスタディサプリぐらいは受けさせられる努力は必要かもね。
ネット環境がないなら、サービス存続がいつまで続くかは不明だが、フレッツじゃないADSLなら3000~4000円ぐらいからなんとかなるし。端末は、中華タブレットとかなら5千円とか1万ぐらいのもあるが。後々の事を考えると、パソコンにしといたほうがいい気はするかな。ただ、家電量販店に行くと、PCデポ以外でもブロードバンドと抱き合わせの値引き販売に引っかかる可能性もあるからな。
Amazonで吊るし売りのを買うか、DellとかHPの直販モデルならなんとかなりそうなんだけど。ネットやってない人がネットで買うのは、卵が先か鶏かって話になるからな。けど、パソコンの代わりに1000円ちょっとのキーボードしか買えない家庭だと、それでも手が出ない金額なんだろうか。
昔、「こんにちはマイコン」付録の実物大キーボードポスターを泣きながら叩いた事を思い出したな。それはともかく、アニメのキャラクターデザインの仕事に就くため必要なのは、専門学校の進学じゃなく、入社(業務請負)して一人前になるまで食いつなげられる資金なんだよな。ぶっちゃけ、貧困世帯の子供がなれるような甘い世界じゃなく、親から生活費を仕送りしてもらえるのが最低条件。
それなんで、うらら氏の場合は特待生で授業料免除+奨学金もらえる成績か、現時点で絵の才能が認められるぐらいの作品を発表してなければ、学校の担任のアドバイスに従った方がいいんじゃね。もちろん、夢を諦めずにバイトしながらデザインの道を目指したいなら止めないけど。その先には一生非正規の低所得者で下流老人予備軍の仲間入りをして、老後は悲惨なことになる可能性が高いことを理解してるならだけど。
世の中には、いじめられて登校拒否児になっても才能を認められて、12歳で天才少年画家と呼ばれるようになった人もいるからな。
黒板に描けなかった夢~12歳、学校からはみ出した少年画家の内なる世界 新品価格 |
濱口家の場合は貧乏ではなく、どちらかと言えば裕福な家庭っぽいけど。それでも、金なくて専門学校への進学を諦めてるうらら氏より、100倍ぐらいは金かけて支援してもらってる気がする。リオオリンピックで活躍した卓球の選手とかも、金かけてエリート教育で育ててるんだよな。
絵もそうだけど、素質がものを言う世界だと才能がない人にいくら金かけても無駄だから、こういう取捨選択は必要だよな。
貧困JKうらら後日談(2016.8.20)
記事中でNHKのこどもの貧困特集で紹介されてた、パソコンが買えない女子校生うらら氏だが。どうやら貧困ではなく、金の使い方が間違ってるっぽい。
https://www.youtube.com/watch?v=TrTuP67HYEo
これはもう、NHK共々「パニッシュメントサンダー」でいいかな。
コメントを残す