新社会人になって、特に実家から出て独立した人などは、万が一の病気・事故などに不安を抱えているのではないか。テレビやネットでは、盛んに保険会社のCMが流れてる。はたして、民間の医療保険には入る必要があるのだろうか?
今回は公的医療保険に加入してる前提で話をする。まともな会社に勤めていれば、健康保険には当然加入してるだろう。フルタイムで働いてるのに会社が入れてくれない場合は、前回の記事で書いたとおり転職を考えた方がいい。
国民健康保険は前年度の所得から計算される。対して、健康保険の保険料は給料によって決まる。通常は健康保険の方が安い。というのも健康保険の場合、保険料を会社と労働者で折半するから支払う額は半額になる。しかも、国民健康保険にはないサービスもある。
傷病手当金
国民健康保険にはないが、健康保険ならケガや病気で働けなくなっても、傷病手当金が支給される。
全国健康保険協会から傷病手当金支給条件の抜粋↓
傷病手当金は、次の(1)から(4)の条件をすべて満たしたときに支給されます。
(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
(2)それまで就いていた仕事に就くことができないこと
(3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
これがあるので、健康保険に入ってる人なら、就業不能保険には入る必要はない。
高額医療費
続いて高額医療費について。健康保険だけでなく、国民健康保険の加入者も、一ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた分については、後で払い戻される。
全国健康保険協会から自己負担限度額の抜粋↓
70歳未満の方(平成18年10月~)
上位所得者(標準報酬月額53万円以上) 150,000円+(医療費-500,000円)×1%
一般 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
低所得者(住民税非課税) 35,400円
例えば一般で、一月に医療費が100万かかったとする。3割負担だから窓口では30万払う。自己負担限度額は 80100+(1000000-267000)*1% = 87430円。限度額超えているので、申請すれば30万-87430円の212570円は返ってくる。
それゆえ、健康保険・国民健康保険の加入者は、ある程度の貯金があれば医療保険は不要。
上記で紹介した制度は全国健康保険協会のものです。全ての人に当てはまるとは限りません。詳しい内容や申請方法などは、ご自身の加入してる保険組合の案内を読んだり、問い合わせて確認してください。
・病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
・高額な医療費を支払ったとき(高額療養費) | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
結論
日本の公的医療保険制度は意外と手厚い。それゆえ民間の医療保険には入る必要がない。特に、健康保険なら前述した傷病手当金があるので、就業不能保険相当の保障もついてる。まずは会社が加入してる年金・保険や福利厚生の手引書などを熟読して、本当に民間の保険会社の保障が必要かどうかを調べた方がいい。
例外的に、高所得で金が余ってしょうがないという場合には、 生命保険料控除を使って節税するために入るのはありかも。生命保険・介護医療保険・個人年金保険で別々に、最高4万円ずつ控除が受けられる。とはいえ、支払い保険料の全額控除されるのは各々2万円まで。月当たりに換算すれば、約1666円。それでも介護医療保険以外はお勧めできない。
生命保険は独身には不要。結婚して子供が出来てからでも遅くない。将来マイホームを持ちたいのなら、団体信用生命保険という選択肢もある。住宅ローンや住宅購入については、興味のある方は以前書いた記事も読んでもらいたい。
・「26年でダメになる家と資産になる家の違いとは!?」を読んだ -「すでに家を建ててしまった人は読まないでください。…絶対に後悔しますから」って本当!?-
賃貸+生命保険加入より、家買って住宅ローンと団信払った方がお得という、記述がある本の感想・「磯野家のマイホーム戦略」を読んだ
今後10~20年で住宅価格が下がると予想してる本の感想
個人年金は、保険料が全額控除の範囲内に納まるなら良いけど、たいがい5000円とかからなんだよね。アフラックだったかは、25歳で試算したら3000円台のがあったけど。これなら支払い保険料全額ではないが、控除の範囲内なのでその点は良しとする。だが、この保険料を30年以上払い続けることになるんだぜ。その間に保険会社に何も起きないとは限らない。
というわけで介護医療保険以外は、高所得者でもない限りは加入するのは慎重に判断した方がいい。
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