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「ライトノベル長編まるまる一本添削講座」を読んだ

ライトノベル長編まるまる一本添削講座」を読んだ。タイトルを見た時、小説の新人賞って結構な賞金だよな。芥川賞とかは無理でもラノベならいけるんじゃね? ちょこっと書いて値千金目指すかー。もしかしたら入賞してラノベ作家デビュー出来るかもしれない。そしたら負け犬人生ともおさらばだぜ。などと甘い考えが思い浮かんだのは内緒だ。

内容

内容はタイトルの通り、ある作家志望者が初めて書いた長編小説の原稿を添削している。形式は縦書き小説の本文に添削箇所を赤字で記入してある。添削内容は二種類。誤字・脱字や文法的なミスといった校正的観点と、物語を盛り上げるためのアドバイスという編集者的観点となっている。

愚者は自分の経験から学び、賢者は他人の経験から学ぶ

読んでみて、実践に近い形式の練習を疑似体験したような気分になった。小説とか書いたことはないけど非常に参考になった。しかし、致命的な欠点がある。添削されてるサンプル原稿がすっげーつまらない。だからこそ講座になるんだけど。わざと添削されるために書いた自作自演小説じゃね、とか思うほどひどい。それゆえこの本で指摘されてる事を避けるようにすれば、読めば読むほど読む気がなくなるような文章を書かないですむ確立が高くなる。

だが、本書の指示通りに書いたとしても面白い文章がかけるとは限らない。あくまでライトノベルとして最低限の体裁を整える事はできるが、内容はまた別だからね。ワクワクするアイデアを思いつく方法や、読者をひきつける表現力などを身につけるには向かない。というより、その意図もない。

結論

筆者は最後の方で「本書はまず長編一本仕上げてから読むことをお勧めする」と書いてるけど、個人的にはライトノベル執筆の指南書みたいな本で学んだ後、実際に書いてみる前に読んでおいた方が時間の節約になると思う。そんなの読まなくてもラノベ一本書くぐらいオレ様には余裕だぜって人も、本屋で手にとって第一章を読んでから判断してもらいたい。もしこの本を読まなかったら君も、続きを読む前にパタンと閉じたくなるような作品を書いてしまうかもしれない。


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