「チャイナフリー:中国製品なしの1年間」のあとがきに書いてあった「あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実」を読んだ。面白みのないエッセーとしか言いようがないチャイナフリーとは別の観点から見たグローバリゼーションに関する本。
女子学生の
あなたのTシャツは誰が作ったものですか。食べ物も飲み物も与えられずにミシンにつながれたベトナムの子供でしょうか。時給十八セントしかもらえず、一日に二度しかトイレに行かせてもらえないインドの若い女性でしょうか~
という演説をきっかけに、Tシャツがどうやって作られたかを原料の綿花の収穫からたどっていく。その過程で問題の根底は劣悪な労働条件だけではなく、さまざまな要因が絡んでいる事が分かる。
競争力を高めるには、低賃金で労働者をこき使うだけではダメ。効率化の推進と政府の協力なくてはうまくいかない。アメリカのコットン産業の実例で説明。
低賃金で働く労働者たち。アメリカ奴隷制度の頃の奴隷、あゝ野麦峠の製糸工場で働いてた女工。はたから見ると搾取された不幸な存在のように見えるけど、当人たちはそれを望んでたり不幸とは思ってなかったり。というのも搾取工場の方が元いた農村とかの暮らしよりもマシだから。現代中国のフォックスコンみたいな工場作業員もそうなのかもしれん。
流石に奴隷は別だと思うが。
規制緩和や貿易自由化は公平な手段ではない。自由貿易は競争力のある大国の一人勝ち。今の中国のように。輸入割当などを実施すれば削減された分は競争力のない国が入り込む余地ができる。
反面、国内産業の保護につながるとは限らない。割り当てに限りがある以上、できる限り利益率の高い製品を輸出したい。そのためには技術革新を進め付加価値の高い物を目指す。結果、利益率の高い商品が輸入される。保護政策下で守られて競争力のない国内業者は利益率の低い低価の商品中心になる。
この本は取材した結果に基づいていろいろな事実を教えてくれるが、結論は出してない。搾取されてる発展途上国の労働者にも思うところはあるし、搾取企業をバッシングするだけで解決するような単純なことじゃないのよ。後は自分で考えてね、みたいな。
以下個人的な感想
だったらどうしたらいいの? なんの力も持たない低所得者には思いもつきません。そういうことはビル・ゲイツとかウォーレン・バフェットに任せておけばいいんじゃね。
低所得者というのは程度の差こそあれ、奴隷と変わらないものだな。農村とかよりマシだからってくだりは私には、奴隷の鎖自慢にしか見えん。働きたくねぇ。
チャイナフリーを読んだ時も思ったが、やっぱり中国にはかないません。安価な労働力、外国企業への優遇政策と人民元安政策、そして知的財産権の概念のなさ。もう、衣料品はじゃんじゃん輸出して日本の貧民に激安衣料を提供してください。日本企業だからって、ユニクロみたいに中国で生産しても割高な価格つけてるところから買うより潔い。オレは食うだけ。
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