NHKのニュース見てたら、以前放送した埼玉県久喜市で救急車に搬送された男性が25の病院に36回断られて搬送先の茨城県境町の病院で死亡した件についてブログで意見があったらしい。このブログの趣旨は、ニュースでは患者の受け入れ拒否という言葉を使ってるが実際は受け入れ不能。今回事件が起きた久喜市のある埼玉県北部は大学病院が一つもない気の毒な地域。医師個人が悪いんじゃなく受け入れ不可能な状況を作ってる行政が悪いとの事。
埼玉 25の病院に断られ男性死亡 NHKニュース
中村ゆきつぐのブログ : 救急搬送36回:NHKさん。受け入れ拒否ではなく受け入れ不能です
119番通報が午後11時25分。で、受け入れを断られた理由は「処置困難(16件)」「空いているいるベッドがない(7件)」「他の患者の治療中(5件)」「専門の医師がいない(4件)」の四つ。
「空いているいるベッドがない」ってのは診断・治療は出来るんじゃないのか? そう思ったが、上記ブログのコメントで内科勤務医の人が説明してた「「応急処置」はできるかもしれません。しかし、重症患者の生死を決めるのは、応急処置の次に行う「二次処置」です。二次処置には病床が不可欠です。」 ベッドは病床の意味なのかな。
「他の患者の治療中」はその患者の治療が終われば診れるんだよね? 実際にいったん断られたところに搬送されたんだし。とはいえ「茨城西南医療センターから男性を受け入れると回答があったのは、午前1時49分、救急車が病院に着いたのは午前2時15分」らしいから119番してから受け入れ可能まで2時間24分かかってるか。他の患者の処置次第で時間読めないから一度は断るのもやむを得ないか。
ニュースで見た時はブログに反発したけど、内容見てみると受け入れ拒否じゃなく受け入れ不能というのも納得できる。その理由を中村ゆきつぐ氏は行政にあるとしてるが、病院や医者にも問題はないのか? 「専門の医師がいない」のは病院の問題の気がするが、これは深夜で件数は4件だから一応他の病院には専門の医師がいるのだろう。だが、今回最多16件ある「処置困難」は当直医師のスキルの問題では。小さい病院とかなら設備の問題もあるかもしれんが、いても役に立たないような奴が当直してるからじゃね?
閑話休題
前に救急車じゃないけど夜間に体調不良で病院に行った事がある。21時ぐらいに夜間診療を受けたけどその時の医者が態度最悪だった。寝起きなのか酒飲んでたのか不機嫌でろくな診察もなしに喧嘩腰だった。後に、こういった夜間診療では夜間割増診察料がかかるけど医者は金目当てのろくな奴がいないという話を聞いた。病院も補助金等目当てでやってるだけ。
さっきのブログの内科勤務医のコメントで医者の給料について書かれていたので思い出してしまった。コメントによれば「勤務医の平均時給がいかに安いかご存じないようですね。普通のサラリーマンの方々も、毎日12時間勤務(当直を考慮した平均勤務時間)を365日続ければ、かなりの高給取りになるのでは?」らしい。
適当に検索したDtoDコンシェルジュというところで求人情報を見てみた。条件は埼玉県で常勤とフルタイムと当直と夜勤の定期非常勤アルバイト。
まず常勤の医師(転職)だと年収で1000~1500万からとなっている。上は1800万から2200万でさらに応相談。勤務日数はだいたいのところで週4日の通勤可能。当直なしも結構ある。これが定期非常勤の医師(アルバイト)になるとフルタイムで日給10万前後。当直だと夜から翌朝まで12時間ぐらいで4~6万円。夜勤は一つの病院しかなかったが、16時から20時までで52000円。
この通りの給与体系だとするとフルタイムなら週4勤務でも年収1000万は稼げるようだ。意外なのは当直と夜勤で時間は3倍違うのに給料があまり変わらない事。当直だから患者が来なければ暇で仮眠も十分取れるかもしれん。それでも夜勤(といっても16時~20時)の時給単価の1/3ぐらいでこの拘束時間。もし何かあって患者がひっきりなしにくるような事になれば寝る間もなく診察・治療しなければならない。
そう考えると当直は状況によっては高給とはいえないかもしれないが、フルタイムなら世間一般から見れば十分高給取りかと。夜間診療の医者が金目当てで質が悪いってのも結構説得力があるのではないかな。
もっとも労働条件が求人情報どおりだった場合の話。世の中書面で提示された労働条件と実際の勤務状況が違うなんて日常茶飯事だからね。患者次第の仕事だから残業とかもあるだろうし。そうなるとさらに過酷な労働条件下で働くことになるが、残業手当とかつくなら給料もアップするだろう。少なくとも日勤時給約1万円・当直約3333円を「勤務医の平均時給がいかに安いか」って「普通のサラリーマン」と比べるのは世間知らずでは。
週5残業無しで月172時間働いて平均年収の409万なら時給約1982円。残業も当然してるだろうから実際の時給単価はもっと低いし、世の中は年収300万円以下が4割以上を占めている。医者なら、ありえないと思うけど当直のみの勤務でも月172時間で年収680万超える。サラリーマンで年収600万以上は26%、700万以上なら17.9%しかいない。
だからといってすべての医者は儲けすぎ給料下げろとは思わんが、スキルの低い医者や受診件数の少ない当直医は基本給下げてもいいと思う。その分スキルの高い医者には高給を払って(今でも応相談とかでやってるか)、当直は最低保証額+インセンティブ制にすればいいのでは。後は今回の件とは関係ないけど手術とかでは成功報酬も採用して欲しいね。まあ実際の医者の労働条件知らないのですでにそうなってるのかもしれないが。
最後に久喜市民のコメントを引用
県全体、国全体の事はわかりませんが、久喜市には救急受け入れ大型総合病院が2つあります。
その二つとも機能していない。そのうちひとつはごく最近久喜市とJAがが大金を投じて新しく作った久喜総合病院です。この新しい病院が機能していない事をもっと取り上げて欲しい。
今回の記事は医者や行政がどうとか、久喜市だけが劣悪な環境にあると言うつもりはない。
これが人口15万人の都市で受けられる医療サービスだとするとこれ以下のところはどうなるのか。どのぐらいの規模なら大丈夫なのかという将来への不安。やっぱり東京等大都市以外の医療サービスに期待する方が無理だから貧乏人は死ねという結論に達しそう。まあ平均寿命は年収に比例するからな。
コメントを残す