以前の記事で、t2というアルミ製ミニマル住宅を紹介したけど。発表から1年以上経ってるのに、これ買ったとか住んでるって話を聞かない。あれからいったいどうなってるのか。気になるので調べる事にした。
もしもt2に住むとしたら
その前に、仮にt2に住むとしたら私ならどうするか。ちょっと、シミュレーションしてみる。
模様替え
まずは、標準装備のベッドが邪魔なので撤去。代わりにロフトベッドを入れる。シンク横のテーブルにモニタ、下にデスクトップPCは置けそうだが。その場合問題が二つ。一つは、水気のあるところにPCを置くリスク。もう一つは、調理する場所がなくなりそうなとこ。このテーブルだと、カセットガスコンロとまな板置いて料理してると、他に何も置けなくなりそう。
テーブルあっても、食事ぐらいしか使えないんじゃね。せいぜい、料理する前にすぐ片付けられる簡単な作業ぐらいがなんとか。そうなると、ロフトベッドの下にデスクを用意する必要がある。できればロフトベッドの下には、ソファとかを置いてくつろげるようにしたいのだが。これだと普通のソファを置くスペースがないな。だったら、中にパウダービーズとかが入っていて形が変わるクッションを用意するのはどうだ。普段は空いてるスペースにビーズクッション置いてゴロゴロすればいいか。
それとも考えを変えてみようか。寝る時はベッドじゃなくソファで寝るとか。もういっそ、キャンプで使う寝袋みたいなので寝れば、ベッドやでかいソファはいらなくなる。このぐらい狭いスペースだと、思い切った割り切りが必要かも知れん。そうすれば、テーブル横に普通サイズの冷蔵庫が置ける。確か以前見た番組では、テーブル下には小型の冷蔵庫(オプション)置いてたけど、それよりは使い勝手がいいだろう。問題は、最近の冷蔵庫はある程度大型で高い奴じゃないと、節電効率が良くない点。上に電子レンジが置ける2ドアタイプとかだと、下手すると大型より電気代がかかったりするんだよね。
標準装備の液晶テレビだけど、これなくてもよくね。テレビあるならHDDレコーダー必須だろ、普通。想定してる利用者が、常にリアルタイムで見れる年金暮らしの老人かヒキニートなのか。前者なら(後者はネットだね)、テレビの娯楽に占める割合はかなり高いはず。それなら床にテレビ台置いて、HDDレコーダーと普通の液晶テレビ置いた方が、満足度は高かろう。裏番組見たい時や、外出中に録画したい時もあるだろうし。そう考えると、標準のベッドがあると本当に邪魔だな。
洗濯のたびコインランドリーとか勘弁
次は掃除・洗濯といった日常業務について。この広さなら掃除機は要らないだろう。場所もとるし。大きいゴミはホウキとチリトリ。細かいのはダスキンみたいなモップ。それでいいんじゃないかな。問題なのは洗濯。ベッドを撤去すれば、シャワー横になんとか置けない事もないかな。これだと、排水はシャワールームでいいとして、給水をどうするか。洗面所がないのでシンクから給水するか。それとも、DIYで分岐水栓取り付けてみるか。分岐の方法については、以前シャワーホースを交換する時に参考にした、カクダイのページに詳しく載ってた。これ見たら、なんとかなりそうだな。
ちなみにシャワーホースを交換した時の記事は↓
シャワーホースを交換したよ -カクダイ シャワホース買って自分で取付けたよ-
部屋が狭くなるのに耐えられれば、洗濯機設置はなんとかなりそう。だが、その後どうやって干すのかが悩みの種だな。ベランダないし。敷地に余裕があれば、外に物干し台置けばいいけど。もしくは、屋根の上に登れるようにして、設置するとか。屋根がアルミで銀色のままなら、光を反射して乾くのも早そうだし。夏場干す時と取り込むときは地獄のような暑さな気もするが。屋根に上って何かするってのは、我ながらナイスなアイデアだと思う。オプションには是非、外階段を用意して欲しいな。
晴れてる時は何とかなりそうだが、雨降り時はどうする。室内用の物干し台とかでなんとかするしかないが。この狭さだと、かなりの圧迫感ありそうだ。まあ、金さえあれば、シャワールームに室内乾燥つければ解決するかな。問題は、スペース的に設置可能なのかと、電気代がどれぐらいかかるか。
このスペースで収納はちょっと
収納に関しては、こればっかりはもうお手上げだと思う。床下収納作る余裕もなさそうだしね。となると、部屋の中には必要最低限の物しか置かない。使用頻度の低い物は、外にイナバの物置でも用意して、そこにしまっとく。これが現実的な対処法じゃないか。この狭さでも収納可能なぐらい、荷物を減らせるのが一番いいんだろうけど。
洗濯機も持ち運び可能な小型タイプにして物置に置けば、その分居住空間が広く取れる。けど、それぐらい小さい洗濯機だと、こまめに洗濯する必要があるから、週に何度も出し入れしないといけなくなる。その手間とスペースの有効活用、どちらをとるかだな。
ちなみに、洗濯物は洗濯機の中に入れとくと、湿度が高いので雑菌が繁殖しやすく生乾きの臭いの原因になるって、テレビでやってた。これを防ぐには、洗濯物はメッシュ状になってる洗濯かごに入れて、風通しの良いところに置いとくといいらしい。となると、洗濯機の上に洗濯かご置いとく事になるのか。あんまり洗濯物がたまると気分がよろしくなさそうだ。どっちにしろ、こまめな洗濯は必要かな。
あと、衣装タンス代わりになる物は、最低必要になるな。それと、使用頻度の高い日用品の保管場所も。備え付けのキッチンには、収納スペースあるんだろうか。状況によっては、オプションのテーブル下における冷蔵庫の導入。洗濯機を物置に置くか、コインランドリーで済ませるなどの諦めも必要になるかも。
その他
実際に生活すると困ったり、面倒だと思う点。まず洗面所がない事。なので、洗顔・歯磨きももシンクの流しを使わないといけない。これは一般の住宅でもたまにある。これだけ狭いスペースに詰め込んでるんだから、多少の不自由は許容せざるを得ないかな。
ただ、キッチンに関しては、自炊したことのない奴の設計としか思えない仕様。キッチンといっても、シンクとテーブルしかないわけだが、このテーブル、カセットコンロを使っても大丈夫なのか。何か下に敷くものを用意すべきか。それとも、イニシャルコストは高くなるが、IHヒーターを購入すべきか。また、使った皿を洗う時に、洗った皿を置く場所あるのか。テレ東の動画は公開停止したようで確認出来ないが。シンクの上とかに備え付けの棚とかがなければ、どうしたものか。
t2を売る気あるのか?
というわけで、個人的にはかなり惜しい。商品コンセプトは評価してるんだけど、机上の理論だけで作ってる頭でっかちな製品に思える。商品のWeb見ても、ここ1年ぐらいで雑誌やテレビの番組で紹介されたぐらいしか、更新情報がない。利用者からのフィードバック受けて、改良するでもないし。やる気ないのか。
とりあえず、本気で売る気あるんなら、まず企画・開発に関わってる人全員、実際に住んでみないとダメじゃね。その様子をWebに掲載するなり、ブログに書くなりすれば反響あると思うよ。そうすれば、どっかの酔狂な金持ちが買ったり、ビルオーナーが屋上に置いたり、話題づくりに街中に設置して住む奴とかでるかもしれない。
と書いたところ、一応、実際に住んでるらしいって記事を見つけた。
SUS、静岡事業所にアルミ製ミニマル居住ユニットの実験棟を建設 – 住宅産業新聞
FA(ファクトリーオートメーション)向けアルミ製機器製品および機械装置の設計・開発・販売を手がけるSUS(本社=静岡県静岡市、石田保夫社長)は、アルミ製ミニマル居住ユニット「t2」の集合住宅タイプ実験棟を同社静岡事業所(同県菊川市)に建設した。
断熱性や遮音性、居住性などを確認するため、2013年1月頃から社員が実際に生活して検証実験を行い、同年夏までに商品化、発売を目指す。
人柱の犠牲で改良が進むといいんだけど
やっぱり開発前に、実際に住んではいなかったようだな。せいぜい、会社に泊まる羽目になった社員が、試作品で寝るぐらいか。もちろん、発表してないだけで、開発前から何ヶ月も生活してる社員がいるのかもしれんが。これでまともに生活してみれば、上に書いたような問題はすぐに発覚するだろう。けど、集合住宅タイプだと、物置や屋根・敷地に洗濯物干すとかできまい。この場合、どこか一室をコインランドリーみたいにするとかしないと不便だよな。
まあ、個人的には期待してるので、同年夏までにはブラッシュアップして、商品化・発売してください。って、あれ? 発表時は2012年9月受注開始の予定だったけど、まだ発売されてなかったのか。どうりで、一般ユーザーからの情報がなかったわけだな。けど、検証実験について、SUS公式ページでは一切触れられてない。実際に生活する予定だったけど、実は中止されてたりして。それに発売を目指してる同年夏って、2013年夏だよね。今もう9月だよ。
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