「ぼくはお金を使わずに生きることにした」という本を読んだ。まずタイトルに騙されてはいけない。これは節約の本ではない。原題は「THE MONEYLESS MAN: A year Freeconomic Living」でサブタイトルがある。内容は金を使わない(文無し野郎)よりもフリーエコノミー的生活の方が趣旨となってる。
著者は恵まれた人なのであろう。崇高な理念に基づき持続再生可能な世界を作る為、フリーエコノミー的な生活を選んだ。それはいいんだが手段がちょっとね。野生の植物から食物を得るのは理にかなってるし参考にもなる。食べられるのに捨てられる食料とかを集めて配ってる団体とかを利用するのは良しとしても、(スーパーとかの企業の)ゴミ箱から食料や日用品を漁るの真似できないな。
後は、住む土地を借りるために週3で働くとか。確かに金は払ってないけど、労働して賃金得て賃料払うのと大差ないじゃん。この著者は、そういった人と人が協力するコミュニティで助け合って金に依存しない生活しようぜ、みたいな考えなんだよね。
まあ、現在の大量消費社会で私みたいな貧乏人でも食料とか日用品が買えるのは、著者の言うとおり「労働者の搾取とスケールメリットによって初めて実現できる」のは確かだし。その為に地球の資源を枯渇させつつあるというのも遺憾に思わないこともない。それでも貧民にとっては今を生きるのに手一杯で将来の地球環境の事なんか気にかける余裕はないのだよ。ぶっちゃけ自分が死んだ後の世界なんてどうなってもいいし。
というわけでフリーエコノミーに興味のある・共感の持てる人なら読んで損なし。単に働きたくなくて支出を抑えたいだけのダメ人間は、節約に使えそうなネタを拾い読みする以上の価値なし。
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