非正規は国民年金払うな!?
なんか、NPOほっとプラスという「埼玉県内で野宿生活状態にある方、生活に困っている方の相談支援活動をしている団体」の代表が、非正規は国民年金を払うなと主張してる記事を読んだんだが。
流石に今どきの会社なら余程のブラック企業でもない限り、非正規雇用(パート・アルバイト・派遣社員)でも厚生年金に入れるだろう。例外は、主婦が配偶者控除を受けるために年収103万円以内に収めたいのと、正社員の3/4未満しか働いてない・働かせてもらえない場合とか。
なので、非正規でもフルタイムで働いてるのなら、会社の社会保険に加入するように要求すべきだが。現実的には、その後の関係が悪化することをを考えると、やるんなら辞める覚悟が必要だろうな。
ちなみにパート主婦の雇用について、社会保険労務士・行政書士が「簡単節減の方法」として紹介してるサイトがあった。このように社会保険料を削減することは、企業の利益につながるので、どこの会社も非正規は保険に入れたくないのが本音なんだよね。
国民年金未納だと障害者年金受け取れないケースがある
とりあえず、非正規の国民年金加入者で年金保険料を支払うのが苦しい低所得者について話を進めるが。記事では「当然、年金保険料が支払えない場合、手続きを行えば、猶予制度や減免措置を講じられる」「減免措置の期間も年金加入換算されるので、本来はその手続きをしてほしいと思う」と書いてあるが。「ただし、これらの手続きをして、40年間年金保険料を支払い続けても、老後の受給金額は極めて低い」というデメリットについても書いてある。それなので、下記のように「国民年金保険料を支払うな」という見解に達したんだろうが。
だから、単純に考えれば、国民年金を40年間支払うよりも生活保護に移行した方がよい。
あるいは年金保険料を払えるだけ払い、年金受給後に、最低生活費に満たない分は生活保護を併給した方が生活はしやすい。
個人的には、後者については同意。私も国民年金は全額免除中だし、今後よほどの収入がない限り、免除期間分の保険料を追納しようとは思わない。老後、無年金・低年金になったら生活保護を受ければいいという考えにも同意できる。
国民年金免除期間の未納分についての見解は↓(金額は執筆時のもの)
国民年金保険料を免除した分は追納すべきか?読み返してみると、物価スライドがあるからインフレにもある程度対応できると書いたが。マクロスライド制の現状を考えると、政府は年金制度をスポイルさせたいようだな。
だが、国民年金保険料を免除ではなく未納にしてると、万が一障害者になった時に障害者年金を受けられなくなる可能性について触れてないのはどうかと思う。というのも、障害者年金の支給要件の一つに、年金を加入期間の2/3以上納めてることがあるから。
年金について – 障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法 | 日本年金機構
初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
もっとも、障害者で障害年金も受けられない状態なら、間違いなく生活保護の受給要件は満たせるだろうから、そのまま生活保護受けろってことなのかねえ。
今回のまとめ
そんな訳で、非正規の生活困窮者については「国民年金払うな」なんて役に立たないアドバイスじゃなく、企業に「厚生年金に加入させろ」と働きかけるべきじゃね。まあそれは、このNPO団体の仕事じゃないかもしれんが。
また、記事の結論で「要するに、生活費を切り詰めてまで年金保険料を払う必要はない。現在かあるいは将来に向けて、生活保護を受給すればいい、ということである」としてるが。記事の内容から判断すると、「現在(略)、生活保護を受給すればいい」という件は、保険料を払っても払ってなくても、生活が苦しいなら生活保護の申請を考えろと読めるな。
というか、記事のタイトルは「国民年金保険料を支払うな」より「保険料払えないなら生活保護を受けよう」にして。内容も、「無理して国民年金保険料払うぐらいなら、貯金とかしないで生活保護受けようぜ」とかにした方がよかったんじゃね。
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