個人情報1人500円
ベネッセが緊急会見を開いて、顧客情報流出事件の対応などを発表したけど。
今回の件でかかる費用は顧客への補償だけで、2895万×500円で144億7500万か。用意してた200億円を全額費やしても、200億÷2895万だから約691円と大差ない。500円という金額は、個人的には安く感じるが。クレジットカードの情報が含まれてないなら、会社としては妥当な金額だと思ってるんだろうな。それもこれも、個人情報1人500円なんて悪しき悪例を、ソフトバンクのヤフーBBが作ったからだろう。
ただ、ヤフーBBの情報流出事件では、500円に不服だった5人が裁判を起こして。結果、1人当たり6000円(慰謝料5000円・弁護士費用1000円)の判決が出た。それを考えると、500円で妥協せず手間暇弁護士費用をかければ、ベネッセの過失がどこまで認められるかによるが、これぐらいの賠償金になるかもね。
当然、弁護士費用を考えると、個人で訴えても元が取れる可能性は低そうだが。この時は5人だったけど、あの頃よりネットも普及してるし。該当者が2985万人もいるんなら、誰かリーダーシップをとる人がいてネットで呼びかけたりすれば、集団訴訟に発展する可能性もあるんじゃね。
仮に1割の298万5000人が裁判を起こし、1人6000円の判決になったとすれば。ベネッセの保証金は約179億にまで増える。弁護士も、1人当たり1000円貰えるなら、10万人でも1億、100万人なら10億の報酬になるのか。だったら、思い切って、「ベネッセで個人情報が流出したお客様、集団訴訟しませんか? 着手金0、完全成功報酬のみで賠償金が取れなければ費用はかかりません」なんてテレビCMを流したら依頼殺到するかもしれん。
深刻度はだいぶ違うけど、カネボウの白斑問題ではいくつか集団訴訟を起こすケースが出てる。
・カネボウ白斑問題、集団提訴へ 広島の被害対策弁護団
・白斑被害で集団提訴へ カネボウに賠償請求
・「接客できない」カネボウ白斑被害で初の集団提訴 総額6億 静岡などの男女14人
法律事務所も集団訴訟の募集や情報を載せている。中には独自ドメイン取得してるところもあるな。けど、jpドメインが高いからって、infoドメインは流石にケチりすぎだろう。
・カネボウ美白化粧品・白斑被害 損害賠償請求訴訟
・カネボウ白斑被害対策弁護団について(最新の動き)
・カネボウ美白化粧品白斑被害救済愛知弁護団
・カネボウ美白化粧品白斑被害対策千葉弁護団結成のお知らせ
・カネボウ美白化粧品白斑被害救済京都弁護団
・カネボウ美白化粧品白斑被害救済大阪弁護団
・カネボウ美白化粧品白斑被害救済東京弁護団 | 東京弁護団の白斑被害110番
ちなみに、1番上の日比谷ステーション法律事務所の弁護士費用は税別で、着手金30万・報奨金が損害賠償金額の2割に加えて、手続き費用の実費がかかる。着手金は訴訟の結果に関わらずかかるので、最低30万と実費は必要になる。実費は人数が多ければそれだけ負担も軽くなるが、着手金が30万とはやっぱり弁護士費用は高いな。しかも、
「一般的に訴訟事件の着手金は請求額に応じたパーセントで算出されるものであり、白斑被害の損害賠償額にこれを適用すると、平均的にはお一人あたり数百万円にのぼる可能性があります
なので。これでも賠償金額が多ければ安いほうらしい。ただ、成功報酬の2割があるのに裁判の成否関係なく取るのはボリすぎじゃね。依頼人数が多くても関係なく、一律30万ってのもなんだな。まあ、賠償金が取り分に直接影響するんなら、それだけやる気もでるだろう。
ベネッセ創業者一族の優雅な生活
話は変わるが、ここでベネッセ最高顧問の福武總一郎氏について。現在はニュージランドに在住して節税生活を送っているらしい。
ベネッセの株主構成を見ると、大株主に福武一族と思われる2人がいるが。持ち株比率は3%を切っているから、軽減税率が適用されてるな。さらに、日本マスタートラスト信託銀行株式会社には、福武一族の関連会社の株式を含んでいて。これに公益財団法人福武財団まで加えると、福武一族はベネッセの株を1/4以上持っている事になる。
本来の大口株主なら払わないといけない、税率の高い総合課税を回避してるだけじゃなく。さらに、移住地を相続税のないニュージーランドに変更してるのか。
株式基本情報 | 株式情報 | 株式会社ベネッセホールディングス
日本マスタートラスト信託銀行株式会社の持株数には、福武總一郎氏及び福武れい子氏が全額出資し、福武總一郎氏が代表を務める資産管理及び投資活動目的の法人であるイーエフユー インベストメント リミテッドが信託財産として拠出している株式13,618千株(持株比率14.15%)を含み、委託された信託財産の議決権行使に関する指図者は、イーエフユー インベストメント リミテッドです。イーエフユー インベストメント リミテッドはこのほかに、1,049千株(持株比率1.09%)を直接保有しています。
ベネッセは大丈夫?
しかし、少子化で子供が少なくなっているのに、ベネッセってそんなに儲かっているのか。社員の平均年収も900万超えてるし。
もっとも、東大合格者の半数以上は年収950万円以上って調査結果もあるし。
教育に金をかけられる家庭とかけられないとこでは、下手するとそれだけで子供の運命が決まってしまう可能性もあるな。そう考えると、多少無理をしてでも、親は子供の将来の為には、いい教育を受けさせなければならないかもね。
だとすると、教育産業は少子化が進んでも、3流大学や現役合格できず浪人する出来の悪い学生をターゲットにした予備校は苦戦しても。まだ未来の可能性が信じられる、子供向けの教育産業は安泰かもしれんな。ワナビー商法って強いよね。
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今回のまとめ
そんな訳で、情報流出の費用が多少かさんだとしても、ベネッセなら大丈夫そうだから、該当する利用者は安心して今後の対策を検討していいんじゃね。
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