生活保護
この前の記事で、「生活保護を権利として正当化する」という貧BP氏のブログ記事を取り上げたが。その続編というか補足記事が投稿されていた。
そんな訳で再度、生活保護が正当な権利かについて書いてみた。前回の記事については下記リンクをご参照ください。個人的な見解を要約すると、「生活保護は要件を満たす人にとっては正当な権利だが、自助努力なしで威丈高に権利だけを主張するのは間違いじゃね」
貧BP氏の主張に対する反論
今回も貧BP氏の、生活保護を権利として正当化するという主張に対して反論する事となった。それと、前回記述が足りなかった点について補足する。
1.助長と強要は違う
まず、私が働きたくないない人に生活保護受給資格はないと考える根拠、生活保護法の第1条について。貧BP氏は、「助長」は「助けたり促進させたりすること」であって、強制ではない。だから問題ないとしている。世間的にはこういうのを、屁理屈と呼ぶと思うが。
また、第4条について、「生活保護を権利として正当化する」で解説済みとしてるが。その内容は、第4条3項があるから急迫した事由がある場合、能力その他あらゆるものを活用しなくてもいい。つまり、働きたくないから働かないでも受給要件を満たすと書いてる。確かに、条文にはそう書いてあるので認めざるを得ないが。
貧BP氏が言ってるのは、働きたくないのに働かないからお金なくなりました。急迫してるので、働きたくないけど生活保護くださいって事だろう。それで受給要件を満たすとしても、将来にわたって働きたくないから働かないので生活保護を貰い続けますという前提だろう。それが、貧BP氏が正当化しようとしている、生活保護の権利なんだろうが。 性善説に基づいてると思われる、生活保護制度を悪用してるとしか思えない。
とはいえ、現状だとそういった自助努力が足りない上に、努力しようとする気すら起きない奴でも。国としては生活保護を出さざるを得ないように思える。だから、生活保護の水準を下げるべきだと考えているが。それについては、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」について論じる機会があれば、書くことにしよう。
第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
第四条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
2 民法 (明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
3 前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。
また、働く能力について、こうも書いてるが。
改めて働く能力について考えてみましょう。たとえば遅刻ばかりをする人がいるとします。この人は、朝決まった時間に起きる能力がありません。したがって、必ず定刻までに出勤してもらわなければ仕事が回らない職場で働く能力に欠けています
こういう人に対しては、国が面倒を見てやれと主張してる。
したがって、先ほどの「どうしても朝起きられない人」の場合、彼に対し無理やり「朝起きねばならない仕事を強要する」のではなく、彼でも働けるような朝遅い仕事などを「提供する義務」が国家側にあると考えるのが、妥当なのです。
現在の労働環境について、含む所はあるが。流石にこれは甘やかしすぎでは。まあ、生活保護受給者にそういった仕事を無償か実費負担相当分でやらせるというなら、理解できるが。
2.権利の濫用ではない
権利の濫用については、すこし言葉が足りなかったか。私としては、生活保護法で自助努力を求めているのに、働くのが嫌という理由で生活保護を受給しようとするのは、権利の濫用ではないかと言いたかった。
くどいようだが、現状の生活保護の水準が適正かについて異論はあるが。悪法もまた法なり。今回も置いておく。
3.生活保護で人は働かなくならない
労働意欲について貧BP氏は、
生活保護やベーシックインカムが支給されることによって働かなくなる人というのは欲求水準の低い人で、高い人は変わらず働くしかないでしょう。
と書いているが。働く気がなくても生活保護が受けられるようになれば、欲求水準の高い人も低くなると考えられないかな。なんせ、何の努力をしなくても、現行なら最低賃金でフルタイム働く以上の支給がもらえて。年金免除・健康保険不要で医療費はタダ。所得税・住民税なども払わなくて済む。それなら現在、生活保護受給者以下か多少上回る程度の低所得者層は、大部分が働かなくなるんじゃね。ベーシクインカムならともかく、生活保護は収入があれば受給額が減るんだから。
それに、貧BP氏のように最初から働くつもりがない人が、生活保護を堂々と受給できるような社会なら。労働意欲が低下すると考える方が自然だと思うけど。
今回のまとめ
私も働きたくないって人だから。貧BP氏が考える、生活保護の権利が正当化されればそれに越した事はない。それでも、氏の主張には説得力がないと思う。
おそらく、富裕層・中間層からは、「働くのが嫌で生活保護受給してるやつから税金を取り戻せ!」って反発を招くし。低所得者からも「満員電車に揺られて必死こいて働いてるのに、この税金泥棒」と、こっちからも蛇蝎の如く嫌われるだろう。中には「だったら俺も働かないでナマポ貰うぜ」って人もでてくるだろうが。
さらに、現在生活保護を受けてる人も、この中で最も強く反対するんじゃないかな。「俺らは本当に働けないから生活保護に頼らないといけないのに、働きたくないから生活保護を受ける奴がいるから受給額が引き下げられたり、受給者が白い目で見られるんだよ」って感じで。おまけに、働く気がないナマポ民あたりも「そんな奴らが増えたらこっそり生活保護貰ってた俺たちの立場が危うくなるじゃないか」って、見当違いの非難をしそう。
まあ、個人的にはベーシックインカムで、国民全員に「健康で文化的な最低限度の生活」が出来るぐらいの金をばら撒くのが、理想の社会福祉だと思っているが。それで満足できなきゃ働けばいい。それだけじゃ暮らしていけないなら、生活保護を受ければいい。ベーシックインカム導入後、生活保護を受けるぐらいなら働いた方がマシだと思えるぐらい改悪された生活保護を。そうでもしないと、西友偽装肉返金事件みたいな騒ぎになるよ。
YouTubeの動画
西友偽装肉返金事件
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