武藤貴也衆議院議員
なんか、自民党の武藤貴也衆議院議員のTwitterでの発言が物議をかもしてるようだが。
SEALDsという学生集団が自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ。
— 武藤貴也 (@takaya_mutou) 2015, 7月 30
この発言自体は一理あるんじゃね。「戦争に行きたくない」って考えは利己的だと思うし。ただ、「戦争に行きたくない」と思ってるのはSEALDsの学生だけじゃなく、誰だってそうだろう。もちろん武藤議員も含めて。
オバマ対全米ライフル協会
ちょっと話は違うが、昔全米ライフル協会が、オバマ大統領の娘は銃装備したSPに守られてるのに、銃を取り上げて他の子供は危険にさらされてもいいのかと皮肉ったCMがあったな。銃を規制して無くしたほうが、銃犯罪の危険が低くなるだろうというツッコミは置いとく。
全米ライフル協会の主張って、るろうに剣心の主人公に近いのかもしれんな。悪いのは銃でなく銃を悪用する人間ですみたいな。
るろ剣だと、「俺の作った刀が時代を作る」と言ってた父親に反発する息子がいたが。それに対して、「時代をつくるのは刀じゃなく人」とか言われて目からうろこってシーンがあったけど。時代をつくるのが人か刀かはともかく、結局は人が刀で斬っていたわけだが。まあ、あの漫画だと明治の時代に主人公が振るう刀は、殺傷能力が抑えられてるけどね。
話を全米ライフル協会に戻すと。昔コネティカット州での銃乱射事件の時に、こういうコメントだしてたな。
自民党の安保法案の考え方も、基本的にはこれと一緒だよな。
利己的
閑話休題。武藤議員が批判されてるのは、戦争に行く可能性の高い学生に利己的だと言ってるけど、自分はまず戦争に行くことはない安全な立場からの発言だからだと思う。
当の本人はこの件に関して、Twitterでは文字数が限られてるのであらためてブログで発言してるが。
この主張を乱暴にまとめると、有事の際に赤紙が来るのは、正義の要請で名誉なことだからありがたく受け取れ。お前らが戦争に行くのは当たり前のことだから、戦場で死ぬのは日本人の義務。でも俺は別。衆議院議員の先生様だから当然だろ。かなり脚色してるが、本音はこんな感じじゃね。
「だって戦争に行きたくないじゃん」って言ってる奴らが利己的と言ってるが。将来はそんな奴らに、「正義の要請」や「日本に課せられた義務」といった大義名分のもと、「日本人を守るために命を落とした外国人」の代わりに命を落とせと言ってるんだろ。自分は政治家だからリスクと負担をしょい込むこともなく。そっちのほうが「だって戦争に行きたくないじゃん」と言ってる学生より利己的じゃね。
もっとも、武藤議員が利己的なことについては批判する気はない。元々、人間とは利己的な生き物だからな。
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そのことを文学的に表現すると「人間とは何か」になるのかな。マーク・トウェインはこの作品を、「利己的な遺伝子」が発表される前に書いてるから、生物学的な意図はないだろうが。
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しかし、この本はヒドイよな。親が子に与える無償の愛とか、他人への自己犠牲もすべて利己的な行為で片付けてるからな。個人的にはお勧めの一冊なんだけど。冷めた大人に早くなりたい、将来の見通しが暗い子供ならともかく。若いうちは夢ぐらい見させてよって人には、二十歳過ぎるまで読まないほうがいいかもね。
今回の感想
そんな訳で武藤議員の発言は、彼が利己的だと批判してる学生と同じかそれ以下の利己的な発言だと思う。ただ、武藤議員については、一つだけ評価できる点がある。
たいていの政治家ってなんだかんだ偉そうなことを言っても、都合が悪くなると自分の主張を撤回したり、誤解を招く発言だったとか言い訳して逃げたりしてるが。最近でも、ヤンキーの過去の武勇談みたいな事実をなかったことにしようとしてる国会議員がいるが。
政治家に限らず社会的地位の高い人って、学生自体はいじめっ子か周りで面白半分に見てた連中ってイメージがあるけど。この2人はそんな感じだね。それはともかく、武藤議員は今のところ、Twitterもブログもそのまま削除せず、自分の主張を貫いてる点だけは評価できる。なんせ、あの橋下徹氏でさえ、都合が悪くなると撤回してるんだからな。
橋下氏と言えば、元プロ野球選手の桑田真澄氏の話を聞くまで体罰容認してたからな。この人もどちらかと言えば、前記で記事を削除した国会議員2人に近い人種なんだろうな。
まあ、たとえ善でも悪でも、最後まで貫き通せた信念に偽りはないからな。それが良いか悪いかは置いとくとして。
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