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モバイルハウス

坂口恭平 著の「モバイルハウス 三万円で家をつくる」を読んだ。内容は、路上生活者の家を参考にして、モバイルハウスを建てるという実験をドキュメント風に書いたもので、元々は雑誌「すばる」で連載してたのを再編成したらしい。

モバイルハウス内容

内容を大雑把にまとめると、家を建てるのに、本当に数千万円の金が必要だろうかという疑問に対する解決策を、路上生活者の家からヒントを得た。家に車をつければ法律上の不動産には該当しないので、建築基準法に従う必要もなく、固定資産税もかからないから金もかからない。土地については、駐車場に設置すれば借地より安く借りられる。

インフラは、電気はソーラパネルで発電して、自動車のバッテリーに充電。筆者は冷蔵庫・エアコンなどの電力を食う家電はいらないらしい。洗濯はコインランドリーを使い、水道は公園の水を使用。ガスはカセットコンロでガスボンベを使うが、使用量が多ければプロパンガスの方が単価安くなるんだろうか。トイレは公園のトイレを利用。

つまり、自分ではできるだけ金を払わず公共のインフラにタダ乗りするってことらしい。本書の記述では「もっと水とトイレがある公園が増えれば、家にインフラを接続しなくても生活することが可能になるのではないか」と書いてある。

まあ、若いうちに遊びでこういう暮らしをしてみるのはいいかもしれんが。年取ってからも持続可能な生活ではないな。

モバイルハウス問題点

実際に、モバイルハウスを設置する駐車場を借りるために契約するんだけど。この時、不動産業者からの「この手づくりキャンピングカーに住むんじゃないですよね?」という質問に、「はい、住むわけではありません」と答えるてるんだよね。これについては、「住む」ことは法律で定義されてないから云々と書いてるが、屁理屈に近い都合の良い解釈をしてるように思える。全体的に、法の抜け道とかを探して、裏ワザ的なやり方で通そうとしてる。

公園の水についても、私的利用を禁じられてるがどこまでが私的なのかは曖昧なので、線引を確認するためにも使うなどと言ってるが。あまり考えにくいが、将来こういう人が増えれば対策が取られるんじゃね。例えば、水を汲むのは2リットルまでとか。

モバイルハウスでの生活?

本書を読んでいると、モバイルハウスに住んでるといっても、実際には365日住んでるようには見えない。家というより別荘と言ったほうが良さそうな頻度に思えた。

後半の「モバイルハウスでの生活」という章(P132~)では、吉祥寺から熊本に引っ越した生活について書いてるが。トイレは「今回は僕が借りている事務所兼避難所のゼロセンターのトイレを使う」って、事務所借りられない奴はどうするんだよ。それ以前に、「吉祥寺のときはコンビニを使おうかと思っていたが」って、トイレ利用するたび買い物するのか。しないで1日に何度も利用する気だったんだろうか。

料理については「ちょとしたものならカセットコンロを使い、ちゃんと料理しようと思ったときはゼロセンターのキッチンを利用した」って、またゼロセンターかよ。ちなみにそこの家賃は3万円らしい。

ゼロセンター Part.1 | プライベートとパブリックの境界をなくす、新しい住まい方の実践。 | TheFutureTimes

他にも夏については、「仕事をするなら、クーラーの効いた図書館のほうが良い」って、やっぱタダ乗りか。まあ、650円払って近くのホテルに行くこともあったらしいが。冬に関しては、 小さいモバイルハウスだと暖房効率が良いとのことだが。夏の暑さに関しては、筆者もモバイルハウスの問題点だと認識してる。

今回の感想

この本を読んでると、ずいぶんと格好いい言葉が並んでるが。例えば、「インフラなんてそんなに必要なのかと、ここで暮らしているとそう思ってしまう。今までが過剰だったのだ」とか、「どこにも寄生しない生き方。これがこのプロジェクトの主題だ」とか。

そういったさんざんご立派なご高説を拝聴したが、結局は国のインフラにタダ乗りする前提なんだよな。なんというか、働かなくても暮らせる生活保護の裏マニュアルみたいなのを読んだ気分になる。日本の家が高すぎるとかの考え方には、同意できる点もあるんだけど。

本書でのモバイルハウスの運用は、オフグリッドで全部やる覚悟がある人には有用だけど、そうでなければトレーラーハウスでよくね。筆者みたいな中途半端な腹積もりなら、キャンピングカーでも買ったほうがいいんじゃね。そうなると数百万の金は必要だが。

まあ、筆者からすれば、インフラタダ乗りとかいう批判自体が的外れな主張だと思ってそうだが。各世帯にまでインフラを引くのは贅沢すぎるので、みんなで共用できるようなシステムにすればいいじゃんみたいな。イメージ的には、キャンプ場みたいな借地を作って、そこにモバイルハウスを設置して住むことが一般的になればモバイルハウスで生活できるぜって感じかな。

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