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中村裁判

ニュースで、青色発光ダイオード(青色LED)の発明に貢献した日本人3人がノーベル物理学賞を受賞したという事を知ったんだけど。この中の一人、青色LEDの開発後日亜化学工業を退職して、アメリカに渡って現在カリフォルニア大サンタバーバラ校の教授をしている、中村修二氏のコメントに違和感を感じた。

中村氏 「多くの人に支えられ 夢が実現」

最初に、壇上でシャンパンで祝杯をあげて同僚たちと喜びを分かち合ったあと、中村さんは「とてもうれしい。多くの人たちに支えられてここまできた。夢が実現した」と語りました。
中でも、以前勤務していた「日亜化学工業」の創業者で社長も務めた小川信雄さんを恩人として挙げ、「社長のところに行って青色発光ダイオードを開発したいと言ったら小川さんは『いいよ』と即答し、開発資金を都合してくれて留学もさせてくれた」と打ち明けました。

名城大学の赤崎勇終身教授も、記者会見の質問の回答の中で、「私一人で出来た事ではない」と言っていたが。中村教授がそれを言うか。当時の社長を恩人と言ってる日亜を退職した後、青色LED発明の対価を貰ってないって日亜に対して裁判起こして。利益600億円のうち200億円よこせと言ってた頃の、中村教授の主張を一言で言えば、「私一人で出来た事だから金よこせ」だったと記憶してるが。

中村裁判 – Tech-On! 中村氏の主張

私の場合,GaNの成膜装置である「ツーフローMOCVD(有機金属を使う化学的気相成長法)」に関する特許第2628404号(404特許)の発明は独力で行いました。つまり,発明者は私個人なのです。

なお、中村裁判は結局6億円(利息加算で8億4000万円)で和解したが。その時の中村氏の記者会見では、日亜だけだなく日本の司法制度についてもボロクソに言ってた。「こんな国では、もう仕事なんてできませんよ」とも言ってるが、この時すでにアメリカに住んでるたんだよな。

ノーベル賞学者は10年前、「敗軍の将」として何を語っていたか

しかし企業に勤める研究者、技術者はどんなに頑張っても、一生に1度の大発明をしても6億円しかもらえないんです。サラリーマンならそれで我慢しなさいという意味ですよね。

極端ですが、企業研究者や技術者はカネの話をしたらいかん、黙々と会社に滅私奉公しろと、高裁は言っているわけですよ。お前らは奴隷だから、もう何もやらんと言うのに等しい。結局日本では大企業が一番で、個人はどうでもいい。これまでと全然変わっていないんです。

そこまで露骨な発言はしてないが、やっぱり日本をdisってはいるみたいだな。

ノーベル賞受賞の中村教授「米研究者には自由がある」

困難な目標に向かって研究を続けてきた原動力について、中村氏は「人によって違うが、私の場合は怒りだった」と指摘した。かつて勤めていた日亜化学工業と訴訟になった経緯に触れ、「怒りを仕事へのプラスのエネルギーに転換する」ことで困難を乗り越えてきたと述べた。

ちなみに、日亜はノーベル賞受賞についてこんなコメントを出してる。

「多くの社員と企業努力で実現」特許めぐり、中村さんと争った日亜化学工業

「日本人が受賞したことは、大変喜ばしい。とりわけ、受賞理由が中村氏を含む多くの日亜化学社員と企業努力によって実現した青色LEDであることは、光関連技術の日亜化学にとっても誇らしいことだ」

社員の特許の対価

実際に、日亜が中村氏の貢献に対してどれぐらいの対価を払ったかというと。

中村裁判 – Tech-On! 日亜化学工業 社長の小川氏の主張

この貢献に対し,当社は中村氏にボーナスや昇給という形で報いてきたつもりです。1989年から11年間の合計で,同世代の一般社員よりも6195万円ほど上乗せして支給しました。45歳で中村氏が退職する際の給与所得は2000万円弱。決して少ない額ではないと思うのです。中村氏は404特許の発明で得た報奨は,特許出願時と成立時の合計で2万円しかないなどと言っているようですが,そんなことは決してありません。

年間6000万じゃなく11年で6000万。45歳で退職時の給与は2000万。上場企業じゃないので平均年収とかは不明だが。年収リサーチによると、三井化学が平均年齢43.3歳で817万円。一般の社員に比べれば高所得者だが、世紀の発明をしても社員だとこんなものか。

製造業(化学)年収ランキング 第1位~

まあ、日亜の主張を大雑把にまとめると、中村氏の功績がなければ青色LEDは作れなかったが、量産化に貢献したのは中村氏以外による物。中村氏が発表した論文も、日亜の社員の協力があったからで、一人の手柄ではない。青色LED実用化のための設備投資もしていたって事だから。11年で6000万ぐらいが妥当と考えていたんだろう。

ちなみに中村氏は前述した記事によると、日亜が売り上げが10倍営業利益は77倍になったのは、青色LEDによるのが大きいと主張している。

中村裁判 – Tech-On! 中村氏の主張

蛍光体メーカーだったころの売上高は180億円程度で,営業利益は6億円程度でした。それが,2002年度は売上高が1800億円に達し,465億円の営業利益を計上したと聞いています。うち,半導体事業の売り上げは900億円以上。もちろん,そのすべてが青色LEDの発明のおかげとは言いませんが,日亜化学工業に相当貢献していると自負しています。私の発明で恩恵を被っているのは,日亜化学工業の方でしょう。

今回の感想

いくら中村氏の働きがあったとはいえ、実用化まで会社が金を出していた事は事実。だからといって、会社の功績に多大に貢献しても、それに見合った報酬がなければ人は離れていくよな。

個人的には、会社側は青色LEDの研究に携わった社員に対して、パテント収入からのインセンティブを設定して、貢献度によって分配すべきだったと思う。とはいえ、将来物になるかどうか分からない研究に、金とリスクを払っているのは企業なんだから。最初はパーセンテージを低く抑えてもいいだろうが。利益が一定以上に達したり何年か経過するなどしたら割合を増やすべきでもあると思う。

また、一部の社員が高額収入を得ると、社員の協調性が乱れるという意見はその通りだと思う。それでも、少数の有能な社員がその他大勢を食わしてるような状態なら、特別対応もやむを得ないかな。この点については、実績を上げてる人には、研究以外の雑事に煩わされないように秘書とかをつけとけばいいんじゃね。

ちなみに、産業界では社員が発明した特許が会社のものになるよう要望してる。政府にいたっては、無条件で会社のものになるように、特許法の改正を検討してる。
どっちにしても、企業は社員の特許を個人のものにはしたくないようだな。

社員の発明、特許は企業に 産業界が報酬ルールに理解

特許庁は企業の従業員が発明した特許について、条件付きで企業に帰属させる方向で検討に入った。いまは発明した従業員が特許を持つが、企業の設備や同僚の協力なしに発明するのは難しいためだ。ただ従業員に報酬を支払う新ルールを整備し、企業が発明者に報いることを条件とする。

社員の特許「会社のもの」、報償規定の義務化検討

社員が発明した特許の権利を、いまの「社員のもの」から無条件で「会社のもの」に変えるのに合わせ、政府は社員の待遇悪化を防ぐための仕組みづくりを本格化させる。この秋の臨時国会にも提出する特許法の改正案に、こうした規定を盛り込むことで、反発する研究職の社員や労働団体の理解を得たい考えだ。

こうした改正が実施されるなら、将来中村氏のように世界を変えるような発明をする人は、日本の企業からは出なくなりそう。

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